そもそも欧米流のfair精神が中国や印度などのAsia諸国で通用するのかから議論するべきでは

A new approach to China - Official Google Blog
http://googleblog.blogspot.com/2010/01/new-approach-to-china.html

Googleが中国からcyber攻撃を受けたことによって、中国でのGoogleによる検閲を止めるか、そうでなければ、中国での活動を止めるかということを検討することにしたようです。

日本語訳がはてな匿名diaryにありました。

中国に対するあたらしい姿勢 - はてな匿名ダイアリー
http://anond.hatelabo.jp/20100113122352

少し疑問なのは、cyber攻撃を受けたからこのような検討をするというのは物事の脈絡がないのではないかという点です。Googleとしては、中国における検閲について不快感を以前からずっと抱いていたが、今回のcyber攻撃を口実にしたということでしょうか。

心配なのは、今後も中国の経済発展は続くと見られる中で、中国の市場を失うのは戦略的に見てどうなのかという点です。確かに中国ではfairという言葉がないかのごとき状況なのでしょうが、Googleはそこまでfairであることを重視したいと本気で考えているのでしょうか。

欧米人の常識が通用しないのが中国や印度といったAsiaの国々ですが、そのような国のほうが人口が多いわけで、教育水準や経済力が徐々に向上してきた現代において、欧米流のfairという概念がどこまで世界で通用するかという見通しが立たないのではないでしょうか。

中国政府はGoogleが撤退という事態になることを許容できるのでしょうか。もしかしたら、大して痛くも痒くもないのかもしれません。もしかしたら、Googleには去ってほしくないのかもしれません。だからと言って、検閲を止めることを認めるとも思えません。

結局のところ、産業革命以後の歴史で人類が経験したことのない、中国のような1党独裁国家が世界で経済的に存在感を示すという事態に突入しているわけで、欧米の企業であるGoogleも過去の経験を生かせない状況なのでしょう。Googleが中国を切ることになったとしたら、それがGoogleにとって致命傷になるのかもしれませんし、逆なのかもしれません。混沌とした時代ですが、Googleと中国の今後から目が離せません。