防御は最大の攻撃

中国がミサイル迎撃実験 自国領土内で、「目的は達成」 - NIKKEI NET(日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20100111DGM1101L11.html

中国外務省は「実験は防御的で、他国に向けたものではない」と強調した。

これ、全然followになっていないですね。戦略的戦術的には防御というものは非常に攻撃的なものだからです。

露国が何故米国のMDにしつこく反対しているかと言えば、完璧なmissile防衛技術が完成し、missile防衛systemが配備されてしまえば、自国の核missileが全く無力化されてしまい、自国の国防戦力が存在しないのと同義になってしまうからです。このように、MDは極めて攻撃的なものなのです。

これは戦車の装甲にも言えます。戦車の正面装甲は確かに防御のためにあるのですが、戦車の主な役割は防御ではありません。戦車に求められているのは敵陣を蹂躙、踏破する突破力です。何故そのようなことができるのかと言えば、強靭な正面装甲があることによって、小銃は勿論のこと、機関銃や機関砲、対戦車missile、RPGへの強い耐性を持っているからです。それらを無力化してしまえば(中には完全には無力化できないものもありますが)、敵軍の戦力が存在しないのと同じことになってしまい、戦車の強力な主砲によって一方的に敵軍の兵士を殺戮し、兵器を破壊することができます。このように、戦車の装甲は非常に攻撃的なものです。

以上のように、防御だから脅威がないなどと短絡的に判断するのは危険です。防御的などという言葉で簡単に安心しないことをお勧めします。